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星空のディスタンス。
夏といえば。
怖い話、ですよね。

このブログには珍しく、怖い話をします。

彼は小学生だった。
剣道を習いに、少し遠くにある警察の道場に通っていた。

稽古を終わるのはもう夜の八時を回るので、いつもは母が迎えに
来てくれていたのだが、その日は運悪く仕事が長引き、僕は一人で
自転車をこぎ、夜の闇の中を家路についていた。

街の中だから、全く真っ暗というわけではない。
家の明かりや街灯があたりを照らしている。
彼はまだ小さかったから、全然怖くないわけではなかったが、それでも
恐ろしくてしょうがないわけでもなかった。

信号待ちをしていた彼は、ふと思いつく。

「この道を行けばどうなるものか?」

彼が今まで何も疑わず直進していた道。
その分岐を、まだ見ぬ方に曲がったらどうなるのだろうか。

深く考えず、彼は曲がった。
だんだんだんだん人家がなくなり、街灯がなくなっていく。
気がつくと、なんだかうっそうとした木が両側にせり出す、あまり
広くない道を彼は走った。

急に心細くなった彼は、大声で歌を歌い自分を励ました。

激しい風が今 心に舞う〜

剣道着を着て竹刀を背負い、大声で歌いながら闇を疾走する小学生。
傍から見たら危険人物以外の何者でもないのだが、彼はそうするしか
なかった。彼にそうさせるだけの心細さを、この暗い道は与えていた。

何か出そうだ。
…何か出そうだ。

彼は心細さのあまり、涙目になっていた。

ふと木は途切れ、辺りには田んぼや畑が広がっていた。
相変わらず暗いのだが、目が慣れたのか木が途切れたからなのか、彼には
やや明るくすら見える。

…大丈夫だ!

歌は佳境に近づき、彼の熱唱も加速していた。
大きく口を開け、歌わんとしたその刹那。

彼は口の中に小さい違和感を感じた。

と同時に、目の前が緑一色に塗りこめられたような衝撃にとらわれ、自転車
から転げ落ちた。

…一瞬気を失ったのだろうか?
彼は正気に戻ると、ふらつきながらも口の中の違和感を確かめた…



いやあ。



口の中にまさかのカメムシですよ。

大口あけて歌ってたから入っちゃったんでしょうね。

皆さんカメムシと食べたことないと拝察するんですけど、あれ凄いよ。
もうこんなのあるの?っていうくらいスゴい。

まず匂いが凄いですよ。
あの衝撃的な匂いが、自分の口腔の中に広がりますからね。
何か飲んでも凄いし、息を吐いても話しても凄い。
自分が最終兵器にでもなったような気分です。

そして、味が凄いんですよ。

なんていうのかな。
とてつもなくにが辛い感じなんですよね。
メントスの比じゃないですからね。つかくいもんじゃないんですけど。

もうね、気持ち悪くて吐くんですけど、それでまた気持ち悪くなる。
ちょっとした地獄でした。
ネバーエンディングヘルでした。

口をゆすいでもゆすいでも取れないんだこれが。

家に帰ってから、こけていろんなところをすりむいて、口からは考え
られない異臭を発する息子を見て、お母さんも泣いてた。

という、夏の怖いお話でした。
少なくとも、僕はしばらくの間とてつもなく怖かった。

皆さん。
夏の夜に、大声で歌いながら自転車に乗っちゃダメだゾ!






カテゴリ:昔話 | 22:14 | comments(4) | trackbacks(0) | - | - |
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コメント
ガリッといっちゃった訳ですか?(|||_|||)
以前カメムシ研究に関わった経験があるのですが、
冷凍保存された(溶けかかってる)何万匹というカメムシの臭いだけで倒れそうでした。
でもたのさんの経験はそれを上回る凄まじさかと思います(^-^;)
貴重な経験をされましたね…
| にんじん | 2008/08/20 12:04 AM |
ええ、少し前のセシルチョコレートのCMばりにカリッと
いっちゃいましたねえ…

カメムシ研究。と言うのも凄いですね。

冷凍保存されたカメムシ。
溶けかかってるカメムシ。
何万匹のカメムシ。

いやあ、字面だけで卒倒するに十分かと思います^^;
いろんな研究もあるもんですねえ。

口に入ったときは、噛まないのがポイントだと思います。
| たのさん | 2008/08/20 3:41 PM |
自分のブログも更新していないのに
お久しぶりです。ご無沙汰しております。
僕も食べたことあります。
死ぬかと思って泣きました。
| rossostyle | 2008/08/20 10:20 PM |
お久し振りです。

って、カメムシを食したことがある。というところで
よもや賛同者が出るとは思いもしませんでした。

あの感覚はないですよね。
意味分からないというか、絶望感というか。
パニックというか。

ブログ更新お待ちしております。
| たのさん | 2008/08/21 12:31 AM |
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